循環器疾患は世界における主要な死因の一つであり、2021年には2,050万人の方が循環器疾患関連で亡くなっていることが報告されています。循環器疾患のリスク要因である肥満、高血糖、脂質異常、高血圧は複合体としてメタボリック症候群を形成します。
脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンは、インスリンの働きを助け、血糖値を下げる、動脈硬化を予防するなどの働きがあることが知られています。また、コーヒー摂取により、血清アディポネクチン値が上昇することが複数報告されていました。一方で、アディポネクチンは肥満と重要な関係があるにもかかわらず、肥満の有無に分けた解析は行われてきませんでした。
そこで、本研究では日本多施設共同コーホート研究徳島地区調査に参加した606名の方を対象にコーヒー摂取と血清アディポネクチンとの関係について肥満の有無によって分けた解析を行いました。年齢、性別など交絡要因となりうる因子を調整した重回帰分析において、正常体重の方においてはコーヒー摂取と血清アディポネクチンに有意な正の関連(コーヒーをよく飲む人では血清アディポネクチンが高い)が見られました。一方で、肥満の方においては有意な関連は見られませんでした。
【プレスリリース】肥満の無い人はコーヒー摂取で代謝を助けるホルモンアップ?(PDF 178KB)