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薬用植物園 一般開放へ行ってきました!

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薬用植物園

薬学部及び薬学研究科学生の教育研究に使用している薬用植物園。約1万平方メートルの敷地内で、約700種の植物を栽培しています。年に1回、一般開放されていて、漢方薬や民間薬に用いられる種々の薬用植物や、ハーブ、貴重な絶滅危惧種を観察できます。今年の一般開放は10月6日~10日の5日間、開催されました。県内外から1000人余りが来園する人気の企画で、この様子は地元のニュース番組でも取り上げられ、多くの人の関心を集めていました。 

《動画|JRT四国放送》 【ハーブの香り】徳島大学の植物園が一般開放!香りと味の癒し体験

秋の訪れを感じながら、植物の世界を散策 

秋の訪れを感じながら、植物の世界を散策

園内は絶滅危惧植物園、水生植物園、民間薬園、漢方薬園、果樹園、ハーブ園など、テーマごとに植物が栽培されています。それぞれの植物には、特徴や使い方などを示したプレートが添えられ、薬効などを楽しく学ぶことができます。 

ダンギク(環境省レッドデータブック絶滅危惧II類)
↑ダンギク(環境省レッドデータブック絶滅危惧II類) 

ようやく秋めいてきて、園内はたくさんの花が咲き、散策を楽しむ人で賑わっていました。来園者がゆっくり観察できるよう、園内の概要図と見どころをまとめたパンフレットも配布され、薬学部生薬学分野の学生たちが案内する様子も見られました。 

薬用植物園の見どころピックアップ 

ハーブ園にはカレーの香りがする「カレープラント」や、爽やかなレモンの香りを放つ「レモングラス」が大きく成長していました。他にも様々なハーブが植えられ、葉に触れるといい香りがし、訪れる人の心を癒してくれます。 

↑ワタヨモギ
↑ワタヨモギ 

 

果樹園にはスダチやダイダイ、ミカンなど柑橘系の樹木もたくさん植えられていました。 

アンズやモモなどに混ざって、なんとバナナの花が!? しかし、これは近縁種のバショウでした。バショウはジャパニーズ?バナナとも呼ばれるそうです。こんな花を咲かせるんですね。 

↑バショウ
↑バショウ 

また、枝の左右交互に2個または1個のかぎ状のとげを付け、他の植物に絡み付くカギカズラを観察することができます。このとげは漢方薬に使われるそうです。 

カギカズラ
↑カギカズラ 

樹木園では野生絶滅植物コブシモドキと近縁の薬用植物コブシの違いを見ることができます。
「味噌の味をなおす」といわれるミソナオシが果実をつけていました。また、枝に翼をもつ珍しい薬用植物、ニシキギの枝を観察することができます。 

野生絶滅植物

民間薬園にはゲンノショウコやドクダミなど古くから日本に伝わる薬草が。ヨモギやアマチャ、クコなどの有名な薬草が栽培されています。 

薬草が栽培されています。

漢方薬園では?徳島県出身の「薬学の祖」長井長義博士に縁のある薬用植物シナマオウほか、漢方処方に使われる種々の薬用植物を見ることができます。 

ハーブ

研修室では、様々なハーブの用途や特徴を紹介する展示のほか、好みのハーブを組み合わせてオリジナルのハーブティーを作って試飲できるイベントも。「美容」や「目の疲れ」など来園者の希望に合わせて、学生たちもハーブのセレクトをサポートし、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。 

田中直伸准教授

園長を務める大学院医歯薬学研究部薬学域薬科学部門生薬学分野 田中直伸准教授。田中先生は植物からの創薬シーズや健康食品素材等の探索研究をされています。写真手前の植物 ビヨウヤナギから抽出した成分の香粧品原料としての応用を検討されているそう。田中先生の研究内容に関しては『とくtalk』2026冬号で紹介させていただく予定です。お楽しみに!